当院の主な眼科治療

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糖尿病網膜症


1.糖尿病網膜症とは?

■ 糖尿病とは?

 
糖尿病は全国で約600万人以上いると言われ、その数は現在も急増しています。
エピペン
糖尿病は、体のエネルギー源となる血液中のブドウ糖(血糖)が何らかの原因で過剰となった状態です。
通常は食事の後、膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、食べたものに含まれる糖分をエネルギーに変化します。糖尿病は、このインスリンの量や働きが低下してしまう病気です。血糖が高いと血がドロドロになり、やがて体のあちこちの血管がボロボロになります。糖尿病は、喉が渇いたり、多尿等の症状がありますが、発病初期にはほとんど自覚症状はなく、糖尿病を治療しないでいる人が少なくありません。しかし、全身に合併症を起こす病気です。体の中では確実に発症・進行しています。
糖尿病は、完全に治ることはありませんが、正しい治療を続けていれば糖尿病でない人と全く変わらない生活を送ることができます。そのためにも、内科を受診し、きちんと血糖のコントロールをしましょう。眼科での定期的な精密眼底検査も忘れずに!!
 

■ 糖尿病網膜症とは?

 
糖尿病の三大合併症(腎臓・神経・眼)の1つである“糖尿病網膜症”は、ひどくなると、眼の奥の網膜(カメラに例えるとフィルムにあたる)に悪影響を与え失明することもあります。予防、早期発見、治療が可能にも係わらず、糖尿病網膜症は失明原因の第1位となっています。(毎年 3,000人以上の方が糖尿病の合併症で視力を失っています。)
糖尿病になってすぐ“糖尿病網膜症”になるとは限りません。糖尿病になってから数年から10年位、血糖のコントロールが悪い時期が続くと発症することが判っています。しかし、“糖尿病網膜症”は、進行しているのに目の痛みや視力障害などの自覚症状がほとんど現われないので注意が必要です。自覚症状が出る前に眼科を受診しましょう。

2.進行過程と注意

■ 糖尿病網膜症の進行過程

 
網膜症は進行過程は、①単純 ②前増殖 ③増殖の3段階に分けられます。

正常な網膜

■ ①単純糖尿病網膜症

 

[自覚症状]

全くない
 

[網膜の状態]

網膜内の血流が悪くなり始めた、最初の段階です。高血糖により、網膜に張り巡らされた細小血管がもろくなり、血管が詰まったり、毛細血管の一部がこぶのように腫れる毛細血管瘤、小さな点状の出血、血液中のたんぱく質や脂肪が染み出してつくる硬性白斑などが見られます。視力には全く影響がありません。
 

[治療]

初期であれば、血糖のコントロールの改善で軽快します。

 
 
 
 
 
 
 
単純網膜症

■ ②前増殖網膜症

 

[自覚症状]

ほとんどない。※黄斑部に浮腫が起こると視力低下
 

[網膜の状態]

血管の異常や、むくみ等のはっきりした網膜の病変が現われます。細小血管症が進み、血管がつまるとその部分の神経が貧血状態になり、シミ(軟性白斑)をつくります。酸素欠乏で血管自体が死にかけています。目は血管を補おうと網膜や硝子体に出血をおこし、もろい新生血管(元々ある血管から新しい血管を形成すること)を作り出す準備を始めます。また、静脈異常(静脈が異常にはれあがる)、網膜浮腫(血管から染み出た血液成分が網膜内に留まり網膜が腫れる)等が起きてきます。
 

[治療]

血糖のコントロールの改善とともに、新生血管の発生を防ぐ為“レーザー光凝固術”を行い進行を阻止します。必要に応じ蛍光眼底撮影を実施します。

 
 
 
 
 
 
 
 
前増殖網膜症

■ ③増殖網膜症

 

[自覚症状]

視力低下、飛蚊症、失明
 ※硝子体出血や網膜剥離が起きていなければ症状がないこともある。
 

[網膜の状態]

新生血管が網膜の表面や硝子体に伸びてきます。血圧の上昇などにより新生血管が破れて起こる硝子体出血、増殖膜(新生血管により網膜の上に薄い膜をつくる)が網膜を剥がしてしまう網膜剥離が発生する重症段階です。
 

[治療]

レーザー光凝固術を行うこともありますが、硝子体出血や増殖網膜剥離が起きている場合は、硝子体手術を行います。

 
 
 
 
 
 
 
増殖網膜症

■ 定期的に眼底検査を!!

 
糖尿病網膜症は発病初期には自覚症状が現われません。その為には精密眼底検査が有効的です。
精密眼底検査とは、目薬を点眼し瞳の収縮を抑え目に光をあてて眼球の内側を調べます。この検査を行うと、ごく初期の小さな点状出血や破損まで見つけ出すことができます。
 

☆ 精密眼底検査の目安 ☆

  網膜症のない方・・・・・1年に1度
  単純網膜症の方・・・・・3~6ヶ月に1度
  前増殖網膜症の方・・・・1~2ヶ月に1度
  増殖網膜症の方・・・・・2週間~1ヶ月に1度
 

■ 糖尿病と診断されたら・・・

 
網膜症は徐々に進行しますが、かなり進行しても視力の低下等の自覚症状がほとんどないことと共に糖尿病そのものも自覚症状の少ない病気といえます。糖尿病を放置して、ある日突然目の前が真っ暗になり、あわてて病院に駆け込み手遅れということだけは避けて頂きたいです。

失明という最悪の状態にならない為にも、血糖のコントロールをしっかりし、内科・眼科の定期検診をしっかり続けていれば“糖尿病網膜症”が出てくるのを予防したり、進行を遅らせることは可能です。失明を防ぐためにも、早期発見・治療が大切です。

3.検査内容

■ 精密眼底検査

 
目の内部は透き通っていて、目に光をあてることにより眼球の奥・内部を観察します。眼底をより詳しく観察するため、瞳孔を拡げる目薬(散瞳薬)を点眼してから行います。目薬が沁みる程度で検査中、痛みは全くありません。散瞳薬点眼後は瞳孔が拡がりますので、特に手元が見辛くなり、まぶしさが続きます。
個人差はありますが、元の状態に戻るまで約5~6時間ほどかかります。精密眼底検査を受ける日は、車の運転は避けましょう。通常の眼底検査や眼底写真撮影は、散瞳せずに検査します。
 

■ 蛍光眼底撮影検査

蛍光眼底撮影検査

蛍光眼底撮影検査は、目の奥の病気(眼底疾患)により視力の低下した方、又はその疑いの方に対して、より正確な診断に基づき、より適切な治療計画を立てることを目的として施行されます。この検査を効果的に行うためには、患者様と、ご家族の方々のこの検査に対する理解と協力が必要です。
 

蛍光眼底撮影検査とは・・・

 
前腕静脈(腕の血管)から蛍光色素剤を注射し、この液が眼底(網膜)の血管に達した時期に撮影を行います。
眼底での血液の流れについて知るだけではなく、炎症の有無、変性の範囲や程度、出血の原因、その他一般の眼底検査だけでは知ることの出来ない情報が得られ、病因の解明や治療方針の決定に欠くことの出来ない検査です。
 

☆ ご注意とお願い ☆

 
(1) 患者様は、眼底カメラの前のいすに腰をかけ、あごをカメラのあご台に乗せる姿勢をとりますが、検査の途中で気分が悪くなったり痛みのある場合はご遠慮なくお申し出下さい。また、検査中にマレですが悪心や、嘔吐を伴うことがありますので検査予約時間の前にお食事をされる方は軽食にとどめられるようにお願い致します。

(2) 検査に用いる造影剤に対して、アレルギーを持っている患者様がマレにいます。そのため検査前に造影剤に対してのアレルギー検査をさせて頂きます。
尚、ほかの薬物や、食べ物に対しアレルギーのある方、また、アレルギー疾患を指摘されている方は必ずお申し出下さい。

4.手術

■ レーザー光凝固術

 
網膜症が進行し、回復が不可能になる前の有効な予防手段がレーザー光凝固術です。これにより網膜の出血やむくみを吸収し、病的な新生血管が出てくるのを予防する治療です。
レーザー治療は、早い時期であれば80%の有効率がありますが、時期が遅くなると有効率は50~60%に低下します。この治療は予防治療なので、レーザーを受けたからといって視力が良くなることはありません。しかし、将来の安定した視力を確保するために最も大切な治療なのです。
予約が必要になりますが、外来通院で治療でき、点眼麻酔だけで安全に行えます。レーザー施行中はまぶしいということはありますが、痛みなどはあまりありません。

 
 
レーザー光凝固後の拡大写真

< 原理 >

太陽光線を虫眼鏡で集めて黒い紙に当てると焦げますが、これと同じでレーザーの光を熱エネルギーに換えて、眼底の悪い部分を焼くことになります。
 

■ 費用について  ※片眼の料金です。

 
 1割負担・・・12,000円位
 2割負担・・・24,000円位
 3割負担・・・35,000円位
 ※初回のみ上記費用がかかります。
 

■ 硝子体手術

 
硝子体出血や、牽引性の網膜剥離を起こしてきた重篤な増殖糖尿病網膜症の最後の治療法となります。
図3のように、角膜(黒目)のそばから、3本の管を眼内に挿入し、手術を行います。手技や器具等の発達の為、多くの患者さんの失明が予防できるようになってきました。
しかし、硝子体手術までしなければならない増殖糖尿病網膜症の方の平均視力は低く、早期発見・早期治療が特にこの病気の場合、重要になります。
 

硝子体手術

当院の主な眼科治療


久喜・あだち眼科での主な眼科診療内容を解説していきます。
 
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